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【インドネシア生活記】スラバヤのUNESAにてJATIM OPEN2024陸上大会での結果と課題|スポーツ

こんにちは、ススム(@Susumu_Shimoda_)です。

私は、2023年9月25日よりインドネシアにて生活をしています。

今回は、「JATIM OPEN2024陸上大会」について紹介します。

「国際協力に興味のある方」や「海外が好きな方」、「インドネシアで生活予定の方」へ参考になればと思います。

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スラバヤのUNESAにてJATIM OPEN2024陸上大会へ同行した感想

私は過去にミャンマーやオーストラリアで生活していた経験もあり、ブログで生活情報を発信しているので、こちらの記事もあわせて参考にしてみてください!

私は、2023年10月25日より南スラウェシ州マカッサルの「青年スポーツ局 (Dinas Kepemudaan dan Olahraga Provinsi Sulawesi Selatan(DISPORA))」にて陸上競技の指導をしています。

2024年5月17 – 19日にかけてスラバヤのUNESA (スラバヤ州立大学) にてJATIM OPEN2024陸上競技大会が開催されました。

私の跳躍の教え子も参加するので同伴してきました。

大会のスケジュールは下記の通りです。

スケジュール

■17日
・U-18女子三段跳 (7:30 – )
・U-18男子三段跳 (14:30 – )

■19日
・U-18男子走幅跳 (8:00 – )
・U-18女子走幅跳 (15:00 – )

試合はUNESA大学の競技場にて実施されましたが、州立大学ということもあり敷地内はかなり広いです。

大会への懸念点とアドバイス

今回の大会参加にあたり、懸念点としては「三段跳」でした。

というのも、大会の3週間前に「三段跳にも参加する」との知らせがありました。

走幅跳は以前から練習していたので、ある程度形にはなっていましたが、三段跳は走幅跳とは違う技術を必要とするためより難しいです。

また、三段跳はホップステップジャンプの動作があり、体への負荷は体重の14 – 22倍といわれています。

3週間という限られた時間の中で三段跳に必要なポイントを絞った練習にしました。

三段跳の板

・女子の場合:9m/11m

・男子の場合:11m/13m

三段跳は砂場へ着地しなければ、記録が残りません。練習の中では砂場への着地どころか、ホップステップジャンプの動作も出来るかどうかの状態でした。

私は大体WA (WhatsApp) グループで練習内容やアドバイスを選手に通達します。

こちらは当日の流れについて選手たちに伝えました。

内容

■競技開始が15時の場合
-13:15:競技場到着, ウォーキングなど
-13:30 – 40:ウォーミングアップ開始
-14:30:最終コール
-15:00:競技開始

■ウォーミングアップ例
•ジョギング 4分
•スプリントドリル × 10種目
•ストレッチ
•跳躍ドリル × 3種目
•流し (60m) 2 – 3回※できればスパイクで
※ここまでを最終コールまでに終了
最終コール → 場所へ移動 → スパイク着用
•流し (60m) 2回
•全助走 × 2回 ※足の引き上げ
•短助走で足の引き上げと着地まで
※何をいつまでにすれば良いかを逆算して考えることが大切

試合への調整方法 (食事・過ごし方など)によって当日のコンディションは良くも悪くもなるため、こちらも選手へアドバイスしました。

アドバイス

■試合までの調整
・試合1週間前からトレーニングの負荷を減らす
・大会1週間前からバネを温存するため、ジャンプ練習をしない
・試合2日前は「アクティブレスト (休息 / ウォーキング (20~30分) / ジョギング(15~20分) / 体幹)」
・たんぱく質を中心としたバランスの良い食事を心がける
■試合日
・夜は早く寝て、朝起きたら必ずストレッチをする
・試合当日の朝食は消化の良いものを食べる(揚げ物などは消化に良くないので控える)
・食事は競技開始の1時間半前までに済ませる。
・試合開始30分前までにもしお腹が空いたらバナナなどのエネルギーに変わりやすい果物を食べる
・試合当日は開始時間を考慮して計画的にウォーミングアップを行う

このような内容をまとめたPDFをグループへ送っていますが、実際に読んでいるかは不明です。 (笑)

試合前日の調整

試合前日の16日に、陸上競技場にて最終調整を実施。

夕方16時半頃から始めました。

跳躍競技は普段練習しているタータンと異なるコンディションのタータンで練習すると、助走感覚や距離にズレが生じることが多いです。

UNESAの競技場はタータンのコンディションが良く、Sudiangの競技場と比較して地面からの反発力が強い印象です。

なので、助走の歩数や距離が変わりそうな感じがしました。

日が暮れるのがわりと早くて18時前には暗くなりました。

日本の競技場には照明がありますが、ここには照明がないためスマホのライトを板付近に照らしながら助走練習をしていました。 (笑)

不安が残る中、試合の日を迎えました。

試合当日の流れ

試合当日、私は競技開始の2時間前には競技場へ到着。

しかし、待てど待てど選手たちは来ません。。。

この瞬間「また、インドネシアタイムか〜」と思いました。

日常生活で遅れるのはまだ良いですが、「大事な日は遅れないでほしい!」ともはや呆れてしまいました。

結局、競技場に着いたのは競技開始の1時間前。 (コーチものんびりと遅れてきた!!)

この時間感覚に呆れる感情を抑えながら、選手のウォーミングアップを見ていました。

競技開始の30分前に最終コールになるので、実質30分もアップ時間がない状態。

メインの競技場はアップで使用できないため、アスファルトの道路かこちらの直線50mほどの狭いタータンでアップ。

しかし、他の選手がたくさんいるので実質使えるスペースは直線20mほど。

選手が行ったアップ内容

・ジョギング3分

・スプリントドリル5種目

・ストレッチ

そして、すぐに最終コールへ。 (えー)

あまりのウォーミングアップの少なさに驚愕。 (あらかじめ送った情報読んでいない説)

本来はスパイクを履いて、跳躍ドリル、ダッシュまで行うのが理想です。

競技場内には選手以外入れないので、競技開始までのアップ方法を口頭で伝えました。

私は砂場が見える横まで来て、選手の動きを観察。

流れ

最終コール→砂場へ移動→選手の確認と流れ説明→各自練習→公式練習1回→競技開始

私は動画を撮りながら、動きを確認して随時アドバイスをしていました。

競技中に気づいたことがあります。

それは「風速」です。

通常、走幅跳や三段跳では風速計で風がマイナスなのかプラスなのか風の強さを測ります。

そして、風の速さがプラス2.0mまでは公式記録として認められますが、2.1m以上は追い風参考記録として、公式の記録にはなりません。

今回の大会では、その風速計がないことに気づきました。

これはいわば、風の速さがプラス2.1m以上だった場合の記録も公式記録として認定していることになります。

インドネシアの陸上のシステムが分かりませんが、ルールは全世界共通のはずなので不思議。 (笑)

また、日本では記録の計測や踏切の確認が電子化されてきていますが、インドネシアではまだ人力のようです。

三段跳に関して

選手の三段跳の結果は下記の通りです。

三段跳の結果

・JATIM OPEN 2024 U-18女子三段跳 (9.79m/2位)

  1. F
  2. 9.76m
  3. 9.64m
  4. ?
  5. F
  6. 9.79m

女子の部は2位でした。

というのも参加者が3名。 (笑)

女子の選手に関しては、練習では9歩助走で右足踏切でしたが、大会では12歩助走の左踏切と練習でもやったことない動きになっていました。

しかし、砂場に無事届いて着地できていたので安心しました。

試合では予想しないことが起きるものです。 (笑)

選手の三段跳での踏切足は左が適していたのかもしれないという発見に繋がりました。

三段跳の結果

・JATIM OPEN 2024 U-18男子三段跳 (12.39m/5位)

  1. F
  2. 12.38m
  3. 12.39m
  4. F
  5. F
  6. F

男子の部は5位入賞。

こちらも6名のみの出場。 (笑)

逆に考えると、三段跳び人口がまだ少ないので成長次第ではこれからかなりチャンスがあります。

こちらの選手も練習ではホップステップジャンプの動作を難しく感じており一度も砂場まで到達していませんでしたが、大会では11m板から跳んで、無事砂場へ着地しており、12mを超える跳躍をしました。

この選手は跳躍を始めてまだ2ヶ月ちょっとですが、体のバネがあるので、使い方次第ではかなり伸びる選手だと思います。

動きが粗い部分が多いので、それらを改善できれば14mを跳ぶことができると確信してます。

三段跳の課題

・ホップからステップ動作への移行
-助走スピードを活かして、ホップへ移行できていますが、ホップからステップへスムーズに移行するには、アームスイングと踏切の重心移動が大切です。バウンディングの動きをイメージして、足の切り替えのタイミングと合わせて腕を後ろから前へ振ります。
その際、重心の真下に足を置き、足裏全体で前への推進力を生み出します。

・ジャンプから着地への移行
-最後のジャンプ動作では、力が前へいきすぎると体が前のめりになり、着地した瞬間に前へ転げるような動作になってしまいます。なので、空中では上体を起こして垂直を保つ意識をもち、踵から着地して、そのままお尻を滑り込ませるような動きにします。

・目線
-踏切を気にして、板を見てしまうことやホップステップジャンプの動作中に下を見てしまうと、重心が前のめりなってしまい、スムーズに力を伝えることができなくなります。なので、全体的に目線は水平を保ち、目の前を見る意識です。

走幅跳に関して

選手の走幅跳の結果は下記の通りです。

走幅跳の結果

・JATIM OPEN 2024 U-18女子走幅跳 (4.29m)

  1. F
  2. 4.09m
  3. 4.26m

走幅跳の結果

・JATIM OPEN 2024 U-18男子走幅跳 (6.13m/4位)

  1. F
  2. 5.3?m
  3. 6.13m
  4. 6.03m
  5. 5.??m
  6. F

男子の部は4位入賞。

走幅跳になると出場選手も多くなり、30名ほどになります。

こちらの選手は6mを超える跳躍をしました。

ただ、この選手は試合中にリュックが盗まれるというハプニングにみまわれて、メンタル的にも動揺が生じてしまいました。

リュックの中にはお金 (Rp500.000)、服などが入っていました。

大会中で競技場内に入れるのは関係者のみです。

周りの証言によると、おじさんがリュックあたりでコソコソしていたと言います。

この後、運営へレポートしましたが、残念ながらリュックは見つかりませんでした。

やはり、インドネシアでもこのようなことが起きるので、身の回りの安全管理は大切です。

走幅跳の課題

・助走感覚のズレ
-いつも練習しているタータンとは感覚が違うため、助走距離やリズムのズレがあり、歩数や足が合わないという状況になりました。まだ、選手自身、歩数によって助走リズムや速度に変化をつけるという感覚が身についていないので、助走距離と歩数、リズム感覚の見直しが必要。

・踏切動作
-踏切の2歩手前から腕をまわすような空中動作の動きをしてしまい、助走スピードの減速や空中動作へ繋がらなかった。

・着地の仕方
-着地をする際に上半身と下半身の動きがうまく連動せず、前のめりの姿勢になっていたことで、砂場に足で着地すると同時に前へ転ぶ動きになっていた。

大会中の課題とアドバイス

大会中に気づいた課題とアドバイスは下記の通りです。

課題/アドバイス

1. 試合開始までのタイムマネジメント
•最終コールの40分前に競技場に到着して、ウォーミングアップを開始していたため、十分な時間を確保できていなかった
-“何時までに何をすれば良いのか”、”どのくらいすれば良いのか”を意識するとより良い
-遅くとも最終コールの1時間前には競技場にいましょう

2. ウォーミングアップの内容
•ウォーミングアップはジョギング、ストレッチ、スプリントドリル5種目のみで、最終コールが始まったため、関節可動域や筋肉の柔軟性を十分に高められなかった
-ウォーミングアップに関して、事前に伝えた情報を把握していない、または、読んでいない可能性有

3. コンディションについて
•競技が始まってから、体の状態が良くないことに気づく
-事前に相談することで、調整の仕方やマッサージ、テーピングなどの対策が可能です
-試合までの過ごし方や食事管理など自己管理が大切

4. 走幅跳ピットでの調整方法
•30mほどの軽いダッシュのみだった
-スパイク着用後はタータンで少なくとも2回は60m以上走って、走りの感覚を100%に近づけることで、よりスムーズに動けます
•順番を待ちすぎて練習があまり出来ていなかった
-全助走を2回ほど実施したら、短助走(5 / 7歩)で脚の引き上げ練習や着地練習まですることで、実践の動きをイメージしましょう
•自分の順番を把握して、どのタイミングで動けば良いか確認しましょう
•ボーッと立っている時間が多かった
-待っている際は、酸素と血流を体全体に流すために、座っていても極力足を動かしましょう

今回の大会の目的は、「試合を通じて自分自身を向上させる」ことです。

良い部分も悪い部分もすべて受け入れて、何が良くて、何が悪く、どのような課題があるのか​​を再考することが重要。

この経験を次へと活かせる選手が強くなります。

この先、8月にも大会があるので残り2ヶ月課題改善の練習に励んでいきます。

以上が今回のブログとなります。

読んで頂きありがとうございます。

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